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1 覚せい剤事犯 覚せい剤事犯は,昭和40年代後半から50年代後半にかけての急増傾向に歯止めが掛かったものの,依然として高い水準で推移している。
平成4年における覚せい剤事犯検挙人員を年齢層別に見ると,20歳代の者が37.9%で最も多く,以下,30歳代の23.3%,40歳代の23.1%,50歳以上の9.1%,19歳以下の6.6%となっている。また,同年における覚せい剤事犯検挙人員を職業別に見ると,無職(主婦及び学生・生徒を含む。)が51.0%で過半数を占めている(警察庁保安部の資料による。)。 III-27図は,最近5年間の累計による覚せい剤1kg以上を密輸入した事犯について,その供給地別押収量を構成比で示したものである。台湾が圧倒的に多く,次いで,韓国,香港などとなっている。 なお,上記覚せい剤の密輸入事犯について年平均押収量を算出すると,196.7kgに上る(警察庁保安部及び海上保安庁警備救難部の資料による。)。 III-27図 覚せい剤密輸入の供給地別押収量構成比 (昭和63年〜平成4年の累計) 平成4年における覚せい剤事犯の検挙人員に占める暴力団勢力の人員及び比率は,それぞれ6,627人,44.0%である。また,同年における交通関係業過,道交違反等交通犯罪を除く全犯罪で検挙された暴力団勢力3万2,850人のうち,覚せい剤事犯で検挙された暴力団勢力は20.2%を占めている(警察庁の資料による。)。以上から,暴力団が覚せい剤の密輸入や不正取引に積極的に関与し,不法収益を取得するため,覚せい剤を青少年や主婦を含めた一般市民にまで浸透させている実態をかいま見ることができる。 |