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 平成 4年版 犯罪白書 第1編/第2章/第8節/2 

2 高齢者犯罪の動向

 平成3年において,警察が検挙した刑法犯(交通関係業過を除く。)の人員は29万6,158人であるが,このうち高齢者は1万2,651人で,高齢者比は4.3%となっている。この比率は,総人口に対する高齢者の比率が18.1%であるのに比べると,かなり低いものの,昭和56年に比べると,1.0ポイント上昇している。しかし,高齢者人口10万人当たりの高齢犯罪者検挙人員では,56年の88.1人から平成3年の56.2人へと減少している。
 I-55表は,平成3年における高齢者刑法犯検挙人員を罪名別に示したものである。罪名別構成比を見ると,窃盗が最も高く,以下,横領,詐欺の順になっており,これを男女別に見ると,窃盗では,女子が男子に比べて極めて高いが,横領及び詐欺では,いずれも男子が高くなっている。他方,各罪名ごとに高齢者比を見ると,実人員は少ないが,殺人が最も高く,次いで,放火,詐欺の順となっている。また,男女別に高齢者比を見ると,総数では男子が3.5%であるのに対し,女子が7.6%と高くなっている。罪名別高齢者比では,男子は,殺人が最も高く,以下,詐欺,放火の順となっているのに対し,女子は,放火が最も高く,以下,窃盗,殺人の順となっている。