IV-9図は,昭和44年から平成2年までの各年末の,運転免許保有者数の年齢層別構成比の推移を示したものである。60歳以上の高齢者の割合は,昭和44年の2.2%から一貫して上昇しており,平成2年には9.4%となっている。
自動車又は自動二輪車を運転中,交通事故の第一当事者(事故に関係した者のうち,過失が最も重いものをいい,過失の程度が同程度の場合は,被害が最も軽いものをいう。)となった者の年齢層別の構成比を,最近5年間について見ると,IV-5表のとおりである。第一当事者は,交通事故の加害者的立場であるが,ここでも高齢者の割合が上昇している。
IV-9図 運転免許保有者数の年齢層別構成比の推移(昭和44年〜平成2年各12月31日現在)
IV-5表 交通事故の第一当事者の車種・年齢層別発生件数(昭和61年〜平成2年)
IV-10図は,昭和41年以降の交通事故死亡者(被害者に限らず,加害者及び自傷者を含む。以下同じ。)数の年齢層別構成比の推移を示したものである。高齢者の割合は,41年の18.2%から46年の22.4%に上昇し,その後下降上昇を繰り返しながら長期的に見ると上昇傾向が続いており,平成2年には30.3%となっている。
IV-10図 交通事故死亡者数の年齢層別構成比の推移(昭和41年〜平成2年)
IV-11図は,交通事故死亡者のうち歩行中に死亡した者について,IV-12図は,同じく自転車運転中に死亡した者について,いずれも昭和48年以降の年齢層別構成比の推移を示したものである。歩行中に死亡した高齢者の割合は,48年の39.5%から50年の37.2%に下降したが,その後上昇傾向にあり,61年には51.9%となってついに5割を超え,平成2年には56.2%を占めている。自転車運転中に死亡した高齢者の割合は,昭和48年の39.3%から49年の44.3%に上昇し,50年には38.4%に下降したものの,54年の45.1%から上昇傾向にあり,60年には52.0%となって5割を超え,平成元年は57.8%,2年は56.1%となっている。このように,歩行中及び自転車運転中に交通事故により死亡した者は,高齢者の割合が極めて高く,かつ,その割合が上昇傾向にある。
IV-13図は,昭和48年以降の自動車運転中の交通事故死亡者について,年齢層別構成比の推移を示したものである。高齢者の割合は,昭和48年の3.1%から上昇する傾向にあって,60年が9.1%,62年が10.0%,平成2年が11.7%となっており,運転免許保有者数に占める高齢者の割合(IV-9図参照)よりも高くなっている。
IV-11図 歩行中の交通事故死亡者数の年齢層別構成比の推移(昭和48年〜平成2年)
IV-12図 自転車運転中の交通事故死亡者数の年齢層別構成比の推移(昭和48年〜平成2年)
IV-13図 自動車運転中の交通事故死亡者数の年齢層別構成比の推移(昭和48年〜平成2年)