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 平成 3年版 犯罪白書 第3編/第2章/第3節/3 

3 鑑別状況

 III-31表は,最近3年間における少年鑑別所の鑑別受付人員を示したものである。平成2年における鑑別受付人員の内訳では,一般少年鑑別が最も多く,収容鑑別がこれに次いでいる。在宅鑑別は,前年に比べて9.8%増加している。なお,交通事犯(主たる非行が自動車又は原動機付自転車の運転に係るものをいう。)に限ってみると,保護関係機関からの依頼が48.4%を占めている。
 III-32表は,平成2年において収容鑑別の対象となり,かつ鑑別判定を終了した少年1万6,120人について,その鑑別判定と審判決定との関係を見たものである。鑑別判定を見ると,「少年院送致相当」と判定された者と「保護観察相当」と判定された者が,それぞれ48.1%,47.2%と半数近くを占め,「検察官送致相当」と「教護院・養護施設送致相当」と判定された者が,それぞれ1.1%,2.4%となっている。判定と決定との関係を見ると,少年鑑別所が「保護観察相当」と判定した者の71.4%が実際に保護観察に付されているが,15.4%は決定保留のまま家庭裁判所調査官の試験観察に付されている。また,少年鑑別所が「少年院送致相当」と判定した者の51.9%は実際に少年院送致決定を受けているが,21.4%は保護観察に付され,20.4%は試験観察に付されている。このことから,「保護観察相当」と判定された者の多くは在宅のまま処遇されることが多いが,「少年院送致相当」と判定された者の半数近くは,判定と異なって,在宅のまま処遇されていることが分かる。

III-31表 鑑別受付人員(昭和63年〜平成2年)

III-32表 鑑別判定と審判決定等との関係(平成2年)

 III-12図は,鑑別判定の終了した全少年,保護観察相当及び少年院送致相当と判定された少年それぞれの審判決定等を男女別に見たものである。なお,少年院送致相当については処遇区分(交通短期処遇,一般短期処遇及び長期処遇)別に掲げてある。少年院長期処遇相当と判定された者は,男女共に6割前後が少年院に送致される。しかし,一般短期処遇相当と判定された者で実際に少年院に送致された者は4割に満たず,特に女子では約4分の1にすぎない。女子は,男子に比べて少年院送致決定される比率が低く,試験観察に付される率が高い。また,男子の場合,交通短期処遇相当と判定された者の方が一般短期処遇相当と判定された者よりも少年院送致決定される率が高い。なお,収容保護相当と判定される比率の高い非行名は,強姦(79.2%),殺人(71.4%),覚せい剤取締法違反(62.8%)などである。

III-12図 主な鑑別判定別審判決定等の構成比(平成2年)