前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 平成 3年版 犯罪白書 第3編/第1章/第2節/7 

7 家庭と非行

 家庭は,少年の成長と発達にとって基本的に重要な影響を与える環境であり,少年非行との関連が古くから着目されてきた。

III-12表 少年刑法犯検挙人員中再犯者の前回処分(昭和61年〜平成2年)

III-6図 一般保護少年の非行名別前処分回数(平成元年)

III-13表 犯罪少年の実父母の有無別構成比(昭和61年〜平成2年)

III-14表 犯罪少年の親の生活程度別構成比(昭和61年〜平成2年)

 法務省の特別調査により,犯罪少年の家庭の保護者及び生活程度を見ると,III-13表及びIII-14表のとおりで,実父母がそろっている者は7割を超え,生活程度が中以上の者は9割を超えており,いわゆる「非行(犯罪)の一般化」という現代社会の非行の特質を示している。ただ,最近の特徴としては,親の別居,離婚などにより親の一方を欠いたり,継父(母)のいる家庭の比率が2割を超えていることが注目される。

III-15表 犯罪少年の親の養育態度別構成比(昭和61年〜平成2年)

 III-15表は,先に見たIII-13表の中から,両親なし又は両親不明で,かつ,監護者が全くない者を除いた犯罪少年の親の養育態度について見たものである。これによれば,平成2年における親の養育態度は,「放任」が51.6%で最も多く,以下,「甘やかし・過保護」26.3%,「厳格」17.6%,「監護能力なし」4.5%の順となっている。
 III-7図及びIII-8図は,平成2年における家庭内暴力事犯少年について,学職別構成比及び暴力の対象別構成比を見たものである。学職別では中学生が最も多く,次いで,無職者,高校生の順となっており,暴力の対象別では,母親が最も多くなっている。

III-7図 家庭内暴力少年の学職別構成比(平成2年)

III-8図 家庭内暴力少年の対象別構成比(平成2年)