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 平成 2年版 犯罪白書 第3編/第6章/第5節/1 

第5節 イギリス

1 少年非行の動向

 イギリスでは,刑事責任年齢の下限が10歳であり,10歳以上14歳未満の者を児童(child),14歳以上17歳未満の者を少年(youngperson),17歳以上21歳未満の者を青年(young adult offender)と称しているが,ここでは,便宜上,児童及び少年を一括して少年と称することとする。イギリスにおける正式起訴犯罪(indictable offence)の検挙人員について,その総数,10歳以上17歳未満の少年検挙人員及び10歳以上21歳未満の青・少年検挙人員の1980年から1988年までの推移を見ると,III-63図のとおりである。また,III-121表及びIII-122表は,正式起訴犯罪並びにそのうちの特定6罪種について,1980年及び1986年から1988年までの最近3年間における検挙人員総数,少年,青年別検挙人員,少年比,青年比及び少年,青年,成人の各人口比等を示したものである。

III-63図 正式起訴犯罪検挙人員の推移イギリス(1980年〜1988年)

 検挙人員総数は,1980年の約65万人から1985年の約72万人まで上昇し,1986年には約66万人に減少したものの,その後1987年には再び増勢に転じ,1988年には約70万人となっている。また,青年検挙人員においても,1983年と1986年には前年を下回る数値となっているものの,全体としては漸増傾向を示し,1980年の約15万人から1988年の約18万人へと,1.2倍になっている。これに対し,少年検挙人員は,1980年から1985年までは,18万人前後で推移したが,その後減少に転じ,1986年には約15万人となり,1988年には約13万人となっている。

III-121表 正式起訴犯罪検挙人員・少年比・青年比及び人口比イギリス(1980年,1986年〜1988年)

 各年齢層ごとに人口比を比較すると,少年人口比は,各年次共に30強で,我が国と比較すると高い比率を示しながらほぼ横ばい状態にあるが,青年人口比及び成人人口比は,いずれも上昇傾向にある。
 特定6罪種について,1988年の数値を見ると,青・少年比は,放火(58.9),強盗(54.8),窃盗(52.2),強姦(42.2),傷害(36.4),殺人(16.2)の順となっている。