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 平成 2年版 犯罪白書 第3編/第4章/第5節/2 

2 今後の課題

 本調査は,多数の調査対象者について,全国規模で実施したものであり,法務総合研究所の調査としても,この種の意識調査としては初めての試みであってその意義は深いものと思われる。非行少年の意識を彼ら自身から聞き出すことによって得られた結果によって,従来から指摘されてきた非行少年の特質の幾つかを改めて確認することができた。本調査の結果が,少年施策の推進に何らかの参考になることを期待したい。
 ところで,本調査における非行少年の対象者は,少年鑑別所収容少年であり,今回は,非行の進んだ少年を対象とした調査にとどまったが,今後の課題としては,最近いわれているような,非行の一般化現象,初発型非行少年の増加を踏まえて,非行性がいまだ進んでいない少年を対象とした意識調査を行う必要がある。そのためには,関係機関の協力を得て,一層幅広い調査を実施することとしたい。さらに,一般少年の意識については,既に経年的な変化を明らかにする調査がなされているが,非行少年についても同様な調査を行う必要があり,本調査を土台に,今後継続的に調査を実施していくこととしたい。