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3 少年の交通犯罪 近年におけるモータリゼーションの進行に伴い,自動車は,交通手段の一つとして一般化しており,少年たちが日常的に利用し得る機会も増大している。確かに,自動車の運転は,スピード感,スリル感を伴い,少年たちにとっては,単なる交通手段にとどまらず,欲求の充足や不満の解消手段として魅力あるものとなっている。他面,自動車利用の日常化は,行動範囲の拡大をもたらし,自動車を手段又はその対象とする交通関係事犯以外の少年犯罪の原因ともなっている。
III-6図は,昭和41年以降の少年の道路交通法違反取締件数及び道交違反送致人員の推移を示したものである。少年の道路交通法違反取締件数の動きを見ると,41年の約77万件から43年及び44年の約58万件に減少したものの,その後,多少の起伏を示しながら増加し,60年には約194万件とピークを示したが,その後は減少傾向にあって,平成元年には134万7,451件となっており,このうち,115万182件(85.4%)が反則(告知)事件として処理されている。少年の道交違反送致人員は,昭和41年から44年までは,前記取締件数とほぼ同じ動きを示しているが,45年の道路交通法の一部改正(同年8月施行)により,少年に交通反則通告制度が適用されることとなったため,同年から49年にかけて減少した。50年から58年にかけて,漸増傾向にあったものの,59年以降は,減少傾向になり,平成元年は19万8,060人となっている。これを態様別の割合で見ると,最高速度違反が21.1%,定員外乗車が10.7%,駐停車違反が9.7%,無免許運転が7.2%,一時停止違反が6.8%などとなっている。 III-6図 少年の道交違反等の推移(昭和41年〜平成元年) III-15表は,警察庁の調査による最近5年間における暴走族のグループ数,構成員数及び構成員中に占める少年の比率を示したものである。平成元年11月30日現在で552グループ,3万5,472人で,構成員中に占める少年の比率は75.6%となっており,前年に比べ構成員数及び少年比は減少している。III-16表は,最近5年間における暴走族の学職別構成比を見たものである。どの年次においても有職者の占める比率は高いが,元年のそれは56.8%で,次いで,無職者の25.3%,学生・生徒の14.7%となっている。なお,暴走族の年齢分布を見ると,10代後半から20代前半にかけての若者に集中しており,元年では18歳が22.4%で最も多く,以下,19歳の20.4%,17歳の19.5%,20歳の12.5%などとなっている。III-15表 暴走族のグループ数,構成員数及び構成員中に占める少年の比率(昭和60年〜平成元年各11月30日現在) III-16表 暴走族の学職別構成比(昭和60年〜平成元年) |