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1 女子刑法犯 I-59表は,最近10年間における交通関係業過を除く刑法犯検挙人員及び人口比(14歳以上の者1,000人当たりの検挙人員の比率)を男女別に示したものである。これによると,女子の検挙人員は,昭和58年を,ピークとして減少傾向にあったが,62年及び63年と2年続いて増加した後,平成元年には前年に比べて1万6,135人(19.5%)減の6万6,505人となっている。しかし,,男子の減少率は女子のそれより著しいため,元年の女子比(検挙人員に占める女子の比率)は,前年より高率の21.2%となっている。また,女子の人口比は1.3となっている。
I-59表 男女別刑法犯検挙人員(昭和55年〜平成元年) I-60表は,平成元年における交通関係業過を除ぐ女子刑法犯の罪名別検挙人員を,昭和55年及び63年と対比して示したものである。平成元年においても,検挙人員の首位を占めるものは,窃盗の5万4,919人で,総数の82.6%を占めているが,前年に比べて1万3,921人(20.2%)の減となっている。次いで,横領4,552人,傷害1,728人,詐欺1,235人などが続き,順位は前年と変わらず,その構成比は,いずれも低い。女子比が比較的高いものとしては,窃盗や殺人などが挙げられるが,殺人の中でも嬰児殺は,元年の検挙人員が51人で,女子比は91.1%となっている。I-60表 女子刑法犯の罪名別検挙人員(昭和55年,63年,平成元年) 次に,平成元年の交通関係業過を除く女子刑法犯検挙人員の年齢層別構成比を昭和55年と比較したものが,I-61表である。これによると,女子検挙人員に占める女子少年の比率(女子少年比)は,55年の42.3%から平成元年の56.6%へと上昇し,女子刑法犯における女子少年の増加が目立つ。また,成人女子においては,20歳代の者が,昭和55年の13.3%から平成元年の10.1%へと低下しているのを始め,30歳代から50歳代までは低下しているのに対し,60歳以上では高くなり,高齢化の傾向がうかがわれる。なお,元年における女子刑法犯検挙人員中,女子少年比の高い罪名は,恐喝82.1%(実数641人),傷害78.4%(同1,355人),暴行74.8%(同326人)などである。I-61表 女子刑法犯の年齢層別検挙人員(昭和55年,平成元年) |