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 平成 元年版 犯罪白書 第3編/第1章/第2節/7 

7 家庭と非行

 家庭は,少年の成長と発達にとって基本的に重要な影響を与える環境であり,少年非行との関連が古くから着目されてきた。
 一般保護少年について,その家庭の保護者の状況及び生活程度を見ると,昭和40年代以降,一般保護少年の約7割は実父母がそろい,約8割は経済的に普通以上の家庭の少年となっている(IV-69表及びIV-70表参照)。

III-5図 保護者の養育態度別構成比(昭和63年)

III-6図 家庭内暴力少年の学職別構成比(昭和63年)

III-7図 家庭内暴力の対象別構成比(昭和63年)

 III-5図は,法務省の特別調査により,非行少年の保護者の養育態度について見たものである。放任が47.5%で最も多く,以下,甘やかし・過保護18.3%,厳格15.4%,監護能力なし3.7%の順となっている。
 ところで,家庭内暴力は,昭和63年には前年よりも増加し860人となっている。III-6図及びIII-7図は,家庭内暴力事犯少年について,学職別構成比及び暴力の対象別構成比を見たものである。学職別では中学生が最も多く,37.7%を占め,次いで,無職少年29.8%,高校生22.2%,有職少年5.7%の順となっている。また,暴力の対象別では,母親が66.8%で最も多く,以下,父親10.0%,物(家財道具等)10.0%,同居の親族9.3%の順となっている。