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 昭和37年版 犯罪白書 第三編/第三章/二 

二 少年刑務所の教育活動

 少年刑務所は,少年受刑者数が最高であった昭和二三年ごろには,全国に一二施設あったが,少年受刑者が約三分の一に減少した昭和二八年以降では,川越・水戸・松本・姫路・奈良・岩国・佐賀・盛岡および函館少年刑務所の九施設になった。しかもこのうち,水戸・姫路・盛岡および函館の各少年刑務所は,収容者の大部分が主として青年受刑者で,比較的少数の少年受刑者が分界収容されている現状である。
 少年刑務所において,受刑者に対する矯正教育が一般の刑務所におけるよりも一段と重視されるのは,その収容者の特性からみても当然のことである。すなわち,一般刑務所においては教育課(または教育部)が作業課および保安課(または管理部)に対応して,所管の業務を執っているのに対して,少年刑務所では作業・保安の両課をもうけず,補導課,職業課および教育課を補導部のもとに統括する機構を採り,受刑者の所内生活の全般に生活指導・職業教育などの矯正教育を施すことに重点を置いている。