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1 収容の状況 近年鑑別人員の激増に平行して,収容少年の数も増加している(III-3表参照)。昭和三五年の入所人員は,四一,八一二人で,これは少年法改正により少年の年齢が一八歳未満から二〇歳未満に引上げられ,収容数が急増した昭和二六年(四三,〇一四人)に迫る数である。なお,少年鑑別所の収容状況の最近の傾向として,大都市や工業化の著しい地域の少年鑑別所の入所人員の増加が目立っている。たとえば昭和三四年の六大都市少年鑑別所の入所人員は,一九,六一三人で,これは入所人員全国総数の約四七%にあたり,また,昭和二九年の六大都市入所人員を一〇〇とする指数で示すと,昭和三四年は,一三六となる。昭和三五年は,六大都市の入所人員が二一,一二四人で,全国のそれの約五二%,昭和二九年に対する指数で示すと,一四六となる。
III-3表 少年鑑別所の入所人員と一日平均収容人員等(昭和29〜35年) また,収容定員に対する一日平均収容人員の比率を見ても,昭和三五年に六大都市では京都の八三%を除いて,いずれも一〇〇%を上回り,わけても横浜(一五一%),神戸(一四一%)が高率である。六大都市以外では浦和(一八七%),釧路(一六一%),函館(一三〇%),静岡(一二五%),旭川(一二四%)などが高率である。収容少年の年齢については,III-4表に示すように,昭和三五年の年齢別人員の比率は,前年とほぼ同様であるが,昭和二九年に比較すると一九歳の年長者が減少し,一五-一七歳の中間層がわずかに増加の傾向にある。 III-4表 少年鑑別所の新収容者年齢別人員と率(昭和29,34,35年) 少年鑑別所では,収容少年の心身の状況,行動観察記録,総合所見(資質の問題点,処遇指針,礼会的予後など)とともに,処分についての判定意見を鑑別結果通知書によって家庭裁判所に通知する。家庭裁判所ではこの鑑別結果と,調査官による環境等の調査結果などを基礎に審判を行なうことになる。少年鑑別所の鑑別判定では,収容少年の約五割を少年院送致,約四割を家庭に帰し保護観察に付すことを相当とするとして判定意見をつけているが,家庭裁判所の審判の結果では,収容少年の約二六%に少年院送致,約二七%に保護観察,約一〇%に不処分または審判不開始が言い渡されている(III-5表参照)。III-5表 |