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 昭和37年版 犯罪白書 第二編/第一章/二/9 

9 刑務事故

 受刑者の逃走,自殺,職員に対する殺傷,受刑者相互の殺傷,作業上の死傷等の刑務事故は,II-23表に示すように,昭和三五年では一一〇件をかぞえている。戦争直後は異常な過剰収容と食糧事情の悪化等と相まって,暴動,逃走,職員に対する殺傷など悪質事故が激増したが,その後過剰収容の緩和,分類収容の徹底とともに,次第に落着きをみせ,昭和二八年以降は,ほぼ百件内外に減少した。

II-23表 刑務所における刑務事故件数(昭和27〜35年)

 しかし,最近においては,傷害,恐喝,殺人等の凶悪犯罪の受刑者の占める比率か増大してきているので(II-6図参照),その処遇は困難性を増し,その結果として職員に対する殺傷,同囚相互間の殺傷などが少なくない。

II-6図 新受刑者総数中の凶悪犯新受刑者数の比率(昭和30〜35年)