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 昭和37年版 犯罪白書 第一編/第七章/三/3 

3 死刑の執行を受けた者の身上

 昭和三二年から昭和三六年までの五年間に死刑の執行を受けた者一二一人について,まず,その犯罪時の年齢別をみると,二〇歳以上二五歳未満がその四三・八%にあたる五三人,二五歳以上三〇歳未満が二五・六%にあたる三一人,三〇歳以上四〇歳未満が一五・七%にあたる一九人,四〇歳以上五〇歳未満が五・八%にあたる七人,五〇歳以上が四・一%にあたる五人,二〇歳未満が五・〇%にあたる六人であって,二〇歳以上二五歳未満がほぼ半数を占め,これに三〇歳未満の者を加えると,総数の約七割までが二〇台の青年ということになる。なお,少年法によると,犯罪時一八歳に満たない者に対しては死刑を言い渡すことができないとされているから,二〇歳未満の六人は,犯時一八歳または一九歳の年長少年である。
 次に,右の一二一人につき,その前科の有無をみると,初犯者は五五人(四五・五%)で,前科者は六六人(五四・五%)である。前科者の前科の犯数は,一犯が二六人(二一・五%),二犯が一五人(一二・四%),三犯以上五犯までが一八人(一四・九%),六犯以上九犯までが五人(四・一%),一〇犯以上が二人(一・七%)となっており,一般的にいって,若年者の多い死刑囚としては前科者の比率が高いといえるであろう。また,この一二一人について教育程度,職業別あよび配偶者の有無をみると,I-147表のとおりである。これによると,教育程度は,小学校卒業または小学校中退が最も多く,この両者をあわせると総数の七四・四%となり,また,職業は,無職が総数の五二・九%と約半数をこえ,有職者であっても人夫,ブローカーのような不安定な職業のものが多い。配偶関係は,妻帯者が二四・八%であって,独身者一か圧倒的に多いが,この点は二〇歳台のものがその七割を占めていることから当然のことであろう。

I-147表 死刑被執行者の教育・職業・配偶関係別人員と率(昭和32〜36年)