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 昭和63年版 犯罪白書 第4編/第3章/第4節/3 

3 仮出獄

 自由刑に処せられた者の多くは,仮出獄で出所するが,自由刑の多数回前科者の仮出獄の状況は,どのようになっているのであろうか。IV-36表は,自由刑の多数回前科者について,自由刑前科の回数別に実刑に処せられた者の仮出獄の状況とその取消率を見たものである。実刑率は,初回が43.6%で少ないものの,第2回では81.6%,第3回以降は93%台ないし95%台であり,ほとんどが実刑となっている。仮出獄率は初回が41,7%であるが,第2回以降は約26%ないし30%となっている。ちなみに,昭和61年の全刑務所出所者について見ると,仮出獄者の比率は57.0%であり,これと比較すれば,多数回前科者は初回から仮出獄となる者の比率が少ない。次に,仮出獄の取消率を見ると,初回及び第2回が8.0%で,第3回以降は6%台となっているが,これは仮出獄となる者が厳選される結果であろう。なお,61年の仮出獄者全員について見ると,仮出獄の取消率は7.2%である。

IV-36表 自由刑多数回前科者の自由刑回数別実刑・仮出獄・取消人員