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 昭和63年版 犯罪白書 第4編/第3章/第4節/4 

4 再犯期間

 自由刑の多数回前科者について,年齢層別,前刑出所等事由別に,その自由刑前科に係る再犯期間を見たのがIV-37表である。総数では,6月未満が30.4%で最も多く,6月以上1年未満が22.5%で,1年未満の合計は52.9%にも上っており,多数回前科者の再犯期間は比較的短期である。年齢層別に見ると,6月未満は,25歳未満では40.6%であってかなり比率が高いが,25歳から49歳までは,おおむね年齢層が高くなるに従って比率が低くなっており,また,6月以上1年未満も,年齢層が低いほど比率が高く,年齢層が高くなるにつれて低下している。一方,3年以上は,高年齢層ほど比率が高くなる傾向にあり,以上を概括すれば,年齢層が低い場合においては,再犯期間が比較的短いと言うことができる。次に,前刑出所等事由別に再犯期間を見ると,判決後又は釈放後6月未満の短期間のうちに再犯を犯した者は,満期釈放の場合(34.2%)が最も多く,仮出獄の場合(24.8%)がこれに次ぎ,執行猶予の場合(22.5%)が最も少ない。一方,再犯期間が2年以上3年未満及び3年以上は,いずれも,執行猶予の場合が最も多く,仮出獄の場合がこれに次ぎ,満期釈放の場合が最も少なくなっている。つまり,仮出獄の場合は執行猶予の場合よりも早期に再犯を犯し,満期釈放の場合は仮出獄の場合よりも更に早期に再犯を犯す傾向が見られるのである。

IV-37表 自由刑多数回前科者の年齢層・前刑出所等事由別再犯期間