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 昭和62年版 犯罪白書 第1編/第2章/第5節 

第5節 公害犯罪

 I-42表は,検察庁の最近3年間における公害犯罪の新規受理人員及び昭和61年の終局処理人員を罪名別に示したものである。61年の新規受理人員総数は,前年より975人(17.2%)と大幅に減少して,4,707人となっている。これを罪名別に見ると,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)違反が3,186人(67.7%)で最も多く,以下,海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(以下「海洋汚染防止法」という。)違反が1,146人(24.3%),水質汚濁防止法違反が229人(4.9%)となっており,この三者で全体の96.9%を占めている。なお,ここ数年増加の傾向にあった海洋汚染防止法違反は,61年にはその人員こそ減少したものの,総数中に占める割合は24.3%(59年19.1%,60年22.1%)に上っている。
 次に,昭和61年の終局処理人員について見ると,総数では4,884人で,前年より673人減少している。そのうち,起訴人員は,前年より504人減少して3,457人で,起訴率は70.8%である。なお,公判請求人員は49人で,起訴された者の中での公判請求の比率は1.4%(前年は0.7%)となっている。
 次いで,起訴人員を罪名別に見ると,廃棄物処理法違反が2,348人(起訴率は72.7%)で最も多く,以下,海洋汚染防止法違反の770人(同64.1%),水質汚濁防止法違反の217人(同79.2%)などとなっている。なお,これら三つの公害犯罪について,検察統計年報により,その法人・個人別終局処理人員の比率を見ると,廃棄物処理法違反では,法人の12.9%に対して個人が87.1%,海洋汚染防止法違反では,法人の17.4%に対して個人が82.6%,水質汚濁防止法違反では,法人の36.2%に対して個人が63.8%となっている。

I-42表 公害犯罪の罪名別検察庁新規受理・終局処理人員(昭和59年〜61年)