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 昭和61年版 犯罪白書 第4編/第2章/第2節/6 

6 覚せい剤事犯の地域的特性

 IV-7表は,昭和50年代における覚せい剤事犯の警察による年間平均送致件数と人口10万人当たりの発生率を見たものである。
 まず,覚せい剤事犯発生率の高い順に上位5道県を挙げると,和歌山62.14,香川52.60,群馬49.40,北海道49.20,愛媛45.84となっている。なお,全国平均25.62を上回った地域は,上記5道県のほかに,岡山,佐賀,徳島,高知,京都,東京,栃木,山口,茨城,静岡,大阪,福岡,広島の13都府県となっており,合わせて18都道府県である。逆に,低い5県について見ると,沖縄2.28,岩手7.37,島根9.33,秋田9.44,鹿児島10.52となっており,沖縄がとりわけ低い数値を示している。これらは,いずれも人口が180万人未満の地域である。覚せい剤事犯発生率が最も低い沖縄に比べると,和歌山は27.3倍,香川は23.1倍となっている。

IV-6表 交通関係業過の認知件数と発生率

IV-5図 交通関係業過発生率

IV-7表 覚せい剤事犯の送致件数と発生率

IV-6図 覚せい剤事犯の発生率

 IV-6図は,覚せい剤事犯発生率を,都道府県別に見た地図である。
 次に,地域的特性を見るために,人口による3類型に基づいて,覚せい剤事犯発生率を比較すると,大都市型27.27,地方型26.84,周辺型17.75の順となっている。