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 昭和60年版 犯罪白書 第1編/第2章/第6節/1 

第6節 過激派集団の犯罪

1 ゲリラ事犯

 昭和59年における過激派集団は,いわゆるゲリラ指向を強めたことに特色があり,年間のゲリラ事犯発生件数は,前年の17件を大幅に上回る48件に上っている。特に,火炎車による新東京国際空港公団ビル放火事件(3月1日),関西新空港関係施設(大阪科学技術センタービル)放火事件(4月4日),大阪第2法務合同庁舎火炎びん大量発射事件(9月2日),火炎車による自由民主党本部放火事件(9月19日),航空燃料パイプライン損壊事件(11月13日)など,悪質で重大な不法事犯が続発し,注目を集めた。最近5年間におけるゲリラ事犯の認知件数の推移は,I-40表のとおりである。過激派集団は,一層非公然化・軍事化を進めているものと見られ,ゲリラ指向は更に強まる可能性があり,今後の動向には厳戒を要する。