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 昭和59年版 犯罪白書 第2編/第4章/第4節/1 

第4節 高齢者の犯罪被害等

1 犯罪被害

 II-69表は,最近5年間における高齢者の犯罪被害数(認知件数)を,被害者の属性,特に年齢と犯罪との関連が深いと認められる殺人等の主要5罪名別に,総数との対比で見たものである。
 殺人では,高齢者の被害数及び高齢者比は,いずれも,おおむね横ばい状態にあり,昭和58年にそれぞれ151件,8.8%となっている。なお,殺人の高齢者被害数中女子の占める率は,51.0%と高い。強盗では,高齢者の被害数,高齢者比とも全体として増加傾向にあり,58年には270件,12.9%となっている。傷害では,高齢者の被害数は1,000件前後で横ばい状態にあり,58年の被害数及び高齢者比は,963件,4.0%である。恐喝では,総数が一貫して増加しているのに,高齢者の被害数は,おおむね横ばいで58年には250件(高齢者比2.1%)となっており,他の罪名に比べ高齢者比の低いのが目立つ。詐欺では,高齢者の被害数は逐年増加していたが58年には減少して6,632件となっており,高齢者比は逐年上昇して58年には14.7%となっていてその率は高く,また,高齢者中の女子比が34.9%を占めているのが注目される。

II-69表 高齢者の主要罪名別被害件数(昭和54年〜58年)