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2 犯罪内容 II-63表は,昭和58年における交通関係業過を除く高齢者の刑法犯検挙人員について,罪名別,性別に構成比を見たものである。罪名別では,窃盗の78.2%が最も高く,次いで,横領の6.8%,詐欺の3.3%,傷害の2.1%,暴行の1.4%,殺人の0.6%の順になっている。これを性別に見ると,女子は男子に比べて窃盗の占める率が極めて高い。
なお,罪名別の検挙人員中に占める高齢者の比率を,前掲II-6図によって見ると,比率が高いのは,殺人(5.5%),窃盗(4.4%),放火(4.2%)で,反対に低いのは,強姦(0.8%),強盗(0.8%),傷害(1.0%)である。近年,この比率が上昇傾向にある罪名は,窃盗,殺人,横領等であるが,以下,特に,窃盗及び殺人を取り上げ,若干の検討を行うことにする。 II-64表 高齢者の窃盗検挙人員の手口別構成比(昭和58年) II-64表は,昭和58年における高齢者の窃盗検挙人員について,手口別構成比を見たものである。比率が高いのは,万引きの53.5%及び自転車盗の28.6%で,両者で8割を超える。これを性別に見ると,男子では,自転車盗が43.1%を占めて最も高く,次いで,万引きが33,0%となっているのに対して,女子では,万引きが87.1%を占めている。次に,殺人について見ると,昭和58年に殺人で検挙された者の総数1,789人中,高齢者は99人(5.5%)であるが,これを自殺関与に限って見ると,総数21人中高齢者は3人である。また,58年における検察庁の終局処理人員で見ると,殺人総数1,157人中罰金以上の前科のない初犯者は594人(51.3%)であるのに,高齢者の場合は,77人中54人が初犯者で約7割を占めている。 |