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3 地域的分析 ここでは,昭和34年以降における窃盗発生率について,都道府県別の動向を見てみる。II-17表は,34年以降5年ごとの各年,58年及び最近5年間(平均)における窃盗発生率の上位及び下位のそれぞれ10都道府県を示したものである。まず,発生率の高い地域を見ると,東京,大阪,北海道及び福岡は,いずれの年次においても上位10位以内の順位を占めている。特に,34年から40年まで第1位を占めた大阪と,40年まで第2位,41年以降は第1位を独占している東京が目立っている。このほか,高知(25年間のうち,上位10位以内を占めたのが22回),香川(同21回),京都(同17回),神奈川(同17回),愛媛(同15回),山口(同13回),徳島(同11回)などの府県の発生率が高い。なお,最近5年間の平均で見ると,沖縄及び広島が上位を占めてきている。
II-17表 都道府県別窃盗発生率(昭和34年,39年,44年,49年,54年,58年) 次に,発生率の低い地域を見ると,岩手(25年間のうち,下位10位以内を占めたのが22回),長野(同20回),長崎(同19回),鹿児島(同19回),福井(同18回),富山(同15回),岐阜(同15回),島根(同13回),山形(同12回),山梨(同12回)などの県が目立っている。なお,最近5年間の平均で見ると,三重,熊本及び宮崎の各県においても発生率は比較的低い。また,各年次における最も高い地域の発生率の推移を見ると,昭和34年の1,930(25年間の最高値)から43年の1,404までほぼ一貫して低下したが,44年から52年まで1,500前後で推移した後,53年以降おおむね上昇傾向を示し,57年に1,814に達したものの,58年には1,702と,若干低下している。各年次における最も低い地域の発生率は,34年の420から39年の595に上昇した後,一転して43年の488まで低下し,以後500前後で推移して58年には559となっている。ところで,各年次における最も高い地域の発生率と最も低い地域のそれとの較差を倍率で見てみると,最も差が大きいのは34年の4.6倍で,以後39年の2.7倍まで差が縮まり,その後は,おおむね3倍前後で推移している。 |