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4 窃盗に対する検察・裁判・矯正 これまで窃盗の動向を認知及び検挙の面を中心に種々見てきたが,ここでは若干視点を変え,窃盗を検察,裁判及び矯正の面から見ることとする。
まず,検察の面から,昭和34年以降における有責人口10万人当たりの起訴人員の推移を見てみると,34年の91から若干の起伏はあるものの,全体的には低下傾向を示し,48年及び49年に40と最低を記録し,その後50年,51年に56と上昇したが,以後若干減少し,55年以降50弱で推移している。 次に,裁判,矯正の面から昭和34年以降の窃盗による第一審有罪人員及び新受刑者数の推移を見てみると,II-18表のとおりである。 II-18表 窃盗の第一審有罪人員及び新受刑者数(昭和34年,39年,44年,49年,54年,56年〜58年) 窃盗による有罪人員は,昭和34年の約4万4,000人からほぼ減少傾向な続け,48年には約1万7,500人となり,以後おおむね横ばい状態で推移している。窃盗新受刑者数の推移は,34年の2万4,890人から全体的には減少傾向を続け,49年に8,232人まで減少し,50年及び51年に9,000人台となったが,52年以降8,000人台で推移している。新受刑者総数に占める窃盗新受刑者の比率も34年の55.0%からおおむね低下傾向を続け,58年には27.9%となっている。窃盗検挙人員は,昭和50年に19万8,423人と,34年以降の最高を記録し,それ以後も増加しているのに,逆に,近年,起訴人員,有罪人員及び新受刑者数が減少傾向にあるのは,検挙人員に対する少年比が高くなっていること,自転車盗,万引き等比較的軽微な事犯による検挙者が増加したことなどのためであろう。 |