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 昭和59年版 犯罪白書 第1編/第2章/第4節 

第4節 公害犯罪

 I-36表は,検察庁の最近3年間における公害犯罪の新規受理人員及び昭和58年の終局処理人員を,罪名別に示したものである。58年の新規受理人員総数は,前年より281人(5.5%)増加して5,400人となっている。これを罪名別に見ると,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)違反が3,586人(66.4%)で最も多く,以下,海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(以下「海洋汚染防止法」という。)違反が1,035人(19.2%),水質汚濁防止法違反が530人(9.8%)となっており,との三者で全体の95.4%を占めている。廃棄物処理法違反は54年を,海洋汚染防止法違反は50年を,それぞれ頂点として,その後おおむね減少傾向を示していたが,58年には,この両違反共に,前年に比べてそれぞれ7.8%,6.9%の増加を示しているのが注目される。また,水質汚濁防止法違反は,最近10年間大きな変化がなく,おおよそ500人前後で推移している。

I-36表 公害犯罪の罪名別検察庁新規受理・終局処理人員(昭和56年〜58年)

 次に,昭和58年の終局処理人員について見ると,総数では5,183人で,前年より44人増加している。そのうち,起訴人員総数は,前年より20人増加して3,726人で,起訴率は71.9%である。なお,公判請求人員は35人で,公判請求の比率は0.9%(前年は1.8%)である。罪名別の起訴人員を見ると,廃棄物処理法違反が2,409人(起訴率は71.5%)で最も多く,以下,海洋汚染防止法違反の726人(同69.3%),水質汚濁防止法違反の380人(同76.9%)などとなっている。

I-37表 公害犯罪の法人・個人別終局処還人員(昭和54年〜58年)

 I-37表は,最近5年間における廃棄物処理法違反,海洋汚染防止法違反並びに水質汚濁防止法違反の終局処理人員を法人,個人別に示したものである。これによって法人の違反状況の推移が見られるが,各年次共に廃棄物処理法違反が他の違反に比べて最も多い。昭和58年の終局処理人員は,前年に比べて,廃棄物処理法違反及び水質汚濁防止法違反は減少しているものの,海洋汚染防止法違反は増加している。