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1 交通事故等 業過や道交違反などの交通犯罪を取り上げるに先立って,自動車及び自動車運転免許の保有状況並びに交通事故について概観する。
自動車及び原動機付自転車の保有台数は,依然として増加傾向にあり,昭和58年には,自動車は,前年より約180万台(3.7%)増加して約4,890万台に,原動機付自転車は,同じく約150万台(13.6%)増加して約1,290万台に達している。また,自動車運転免許保有者数も増加を続け,58年末では前年より約180万人(3.9%)増加して約4,880万人となっている。このうち,女性の自動車運転免許保有者の占める比率は,前年の31.8%から更に上昇し,32.8%となっている。 道路交通法上,交通事故とは,車両等(自動車,原動機付自転車,トロリーパス,路面電車,並びに自転車等の軽車両をいう。)の交通による人の死傷又は物の損壊をいうが,ここでは,人の死傷があった場合のみを交通事故として扱うこととする。 I-31表 交通事故の発生件数・死傷者数(昭和54年〜58年) I-31表は,最近5年間における交通事故の発生件数及び死傷者数を示したものである。交通事故の発生件数は,昭和44年をピークに52年まで減少傾向にあったが,53年からは漸増傾向に転じ,58年には前年より2万4,101件(4.8%)増加して52万6,362件となり,死亡者数が447人(4.9%)増の9,520人,負傷者数も2万8,630人(4.6%)増の65万4,822人となっている。I-32表は,交通事故を発生させた自動車を車種別に示したものである。普通乗用自動車の占める比率が最も高く,昭和58年では57.6%になっている。そのうち,93.8%は自家用自動車であるが,自動車1万台当たりの事故発生件数では,事業用自動車(タクシー及びハイヤー)が702.6件と多く,自家用自動車(102.5件)の約6.9倍となっている。また,前述のとおり近年普及が目覚ましく,保有台数の多い,排気量50CC以下の原動機付自転車による事故の構成比は7.5%であるが,1万台当たりの発生件数は28.8件となっている。 昭和58年の事故類型を見ると,例年どおり,車両相互間の事故が40万9,413件と全体の77.8%を占めて最も多く,以下,人対車両の事故が16.6%,車両単独の事故が5.6%となっている。事故態様を見ると,車両同士の出合い頭の衝突事故が最も多く,全体の24.1%を占めている。 I-32表 車種別交通事故発生件数の構成比(昭和54年〜58年) 昭和58年の交通事故による死傷者数を都道府県別に見ると,死亡者の人口比(人口10万人当たりの死亡者数)では,山梨(15.7人),福井(14.5人),茨城(12.8人),滋賀(12.6人)が上位を占めている。負傷者の人口比では,京都(902.8人)を筆頭に,静岡(869.7人),和歌山(842.9人),福岡(828.5人)の順になっている。一方,死亡者の人口比が低いのは,東京(3.5人),大阪(4.8人)などで,負傷者の人口比が低いのは,沖縄(245.9人),富山(322.6人),東京(334.3人)などである。 |