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 昭和58年版 犯罪白書 第2編/第1章/第2節/2 

2 少年暴力犯罪の動向

 II-5表は,最近5年間における暴力犯罪による少年検挙人員及び少年比を示したものである。殺人,強盗及び強姦については,検挙人員及び少年比ともさほど変化は認められないが,傷害については,検挙人員及び少年比とも増加傾向にあり,少年の粗暴化の傾向がうかがえる。市民生活に直接影響を与える悪質な非行集団である暴走族は,近年,依然としてその勢力を拡大しているが,昭和57年における少年の暴走族構成員数は過去最高となっている。第4編で詳述するとおり,少年による学校内暴力の検挙及び補導人員は,57年には前年より若干減少したものの,なお高水準にあり,また,家庭を犯罪の場とする家庭内暴力の多発も認められるなど,少年の暴力事犯は社会の重大な関心を集めるに至っており,その動向には警戒を要するものがある。

II-5表 暴力犯罪の少年検挙人員及び少年比(昭和53年〜57年)