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最近3年間における公害犯罪の検察庁新規受理人員を罪名別に見ると,I-28表のとおりである。昭和57年の新規受理人員総数は,前年より1,113人(17.9%)減の5,119人である。これを罪名別に見ると,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)違反が3,326人(65.0%)で最も多く,以下,海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(以下「海洋汚染防止法」という。)違反が968人(18.9%),水質汚濁防止法違反が496人(9.7%)となっている。この三者で全体の93.6%を占めている。廃棄物処理法違反は,54年まで一貫して増加していたが,55年に減少に転じ,57年は前年より更に882人(21.0%)減少している。海洋汚染防止法違反は,50年の1,394人を頂点に53年まで減少したが,その後は増減を繰り返し,57年は968人となっている。水質汚濁防止法違反は,55年に過去最高の624人に達したが,57年は496人となっている。
I-28表 公害犯罪の罪名別検察庁新規受理人員 I-29表 業種別産業廃棄物不法投棄量 最近3年間について,業種別に,産業廃棄物の不法投棄量を見ると,I-29表のとおりである。総数で見ると,昭和57年は前年より4万2,000トン増の51万1,000トンであり,最も多量に廃棄物を不法投棄した業種は,前年同様建設業で,全体の80.8%(前年は67.0%)を占めている。なお,不法投棄された廃棄物を種類別に見ると,建設廃材が28万トン(54.8%),汚でいが17万1,000トン(33.5%)で,この両者で全体の88.3%を占めている。次に,最近5年間における海洋汚染防止法違反の海上保安庁から検察庁への送致状況を違反態様別に見ると,I-30表のとおりである。総数で見ると,昭和57年は,前年より232件(22.2%)減少している。違反態様別に見ると,船舶からの油排出違反が313件で,前年より66件(17.4%)減少しており,また,船舶からの廃棄物排出違反も,前年より46件(46.0%)の減少となっている。なお,直接海洋汚染に結びつく海上公害事犯(いわゆる実質犯)は646件で,全体に占める比率は79.5%であり,前年に比べると,実数で減少しているが,比率では増えている。 I-30表 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律違反の態様別送致件数 I-31表は,最近3年間における公害犯罪の検察庁処理人員を罪名別に示したものである。昭和57年における処理人員総数は,前年より1,075人(17.3%)減少して5,139人となっているが,起訴率は,55年以降,総数で見ると上昇し,57年は72.1%となっている。罪名別の起訴人員を見ると,廃棄物処理法違反が2,452人(全起訴人員の66.2%)で最も多く,以下,海洋汚染防止法違反の634人(17.1%),水質汚濁防止法違反の358人(9.7%)となっているが,罪名別に見た起訴率の高いものは,毒物及び劇物取締法(95.9%),河川法(86.1%),港則法(84.3%),水質汚濁防止法(73,5%),廃棄物処理法(72.7%)などの各違反の順となっている。I-32表は,最近5年間における廃棄物処理法違反,海洋汚染防止法違反並びに水質汚濁防止法違反の処理人員を法人,個人別に示したものである。これによって法人の違反状況の推移が見られるが,各年次共に,廃棄物処理法違反が他の違反に比べて最も多い。また,昭和57年の処理人員は,各違反共に,前年に比べて減少している。 I-31表 公害犯罪の罪名別検察庁処理人員 I-32表 公害犯罪の法人・個人別処理人員 |