第2節 特別法犯の概況
1 概 説 昭和57年における特別法犯の検察庁新規受理人員(検察庁間の移送,家庭裁判所からの送致及び再起の人員を含まない。)を罪名別に見ると,I-16表のとおりである。57年の新規受理人員総数は,218万7,727人で,前年より5万6,660人(2.7%)増加している。罪種別に前年と比較してみると,道交法関係で6万2,514人(3.1%),薬物関係で2,866人(6.7%),地方公共団体条例で405人(7.2%),財政経済関係で96人(3.8%)とそれぞれ増加し,他方,風俗関係で4,405人(19.7%),外国人関係で1,873人(21.1%),保安関係で1,343人(10.3%),公職選挙法で233人(9.8%),交通関係で134人(1.7%)とそれぞれ減少している。 公職選挙法違反は,衆・参両院議員選挙が同時に施行された昭和55年に,1万9,161人の多くを数えたが,56年には激減し,57年は更に減少している。これは,こと両年,国政選挙や統一地方選挙が施行されていないことによるものと思われる。57年の選挙違反で特異なものとしては,町長選挙に際し,いわゆる「まき屋」を利用して,候補者の氏名等が印刷されたビラとともに五千円札を,数百名の選挙人宅に投入させた事例などがある。 道交違反では,道路交通法違反が96.4%を占めており,自動車の保管場所の確保等に関する法律違反はわずか3.6%にすぎないが,その実数は7万4,500人の多くを数えている。
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