IV-57表は,大麻取締法違反について,昭和45年以降の検察庁の処理状況を見たものである。この種事犯は,従前においては栽培事犯が大半であったことから起訴猶予とされる事例が多く,50年以前の起訴率は30%台であった。ところが,最近は,密輸入,密売,所持事犯等の悪質事犯の増加により,起訴率も上昇の傾向を示し,51年から54年までは50%台,55年にはやや低下して45.6%であったが,56年では54.6%となっている。
IV-57表 大麻事犯検察庁処理状況(昭和45年〜56年)
IV-58表は,通常第一審裁判所において,大麻取締法違反により懲役刑に処せられた者について,刑期別構成比及び執行猶予率を見たものである。刑期別で見ると,6月以上2年未満の占める比率が,各年次ともおおむね80%前後を占め,3年以上の者の占める比率は年次により起伏があるが,全体としては特に大きな変化は認められない。執行猶予率は,各年次とも80%以上となっている。
IV-58表 大麻事犯通常第一審刑期別構成比及び執行猶予率(昭和45年〜55年)