最近における少年非行の特徴の一つとして,覚せい剤及びシンナー等の薬物の濫用を挙げることができる。
III-13表 窃盗検挙少年の手口別構成比(昭和47年,54年〜56年)
III-14表 非行少年の窃盗事犯犯行動機別構成比(昭和52年〜56年)
III-15表は,最近3年間における覚せい剤事犯少年の学職別検挙人員を見たものである。昭和56年における検挙人員の総数は2,575人で,前年より544人(26.8%)増加している。学職別では,無職少年が51.3%,有職少年が40.3%,学生・生徒が8.4%であり,これを3年間について見ると,有職少年の比率に上昇傾向が認められる。また,56年における検挙人員を性別に見ると,総数では男子が多いが,中学生及び高校生においては,女子が男子を上回っているのが注目される。
III-15表 覚せい剤事犯少年の学職別検挙人員(昭和54年〜56年)
III-16表 シンナー等濫用少年の学職別検挙・補導人員(昭和52年〜56年)
III-16表は,最近5年間におけるシンナー等濫用少年の学職別検挙・補導人員を見たものである。昭和56年における検挙・補導人員の総数は4万3,536人で,前年より1,625人(3.6%)減少している。しかし,学職別に見ると増減に差異が認められ,特に,中学生においては,前年に比べて763人(11.2%)の増加となっている。
なお,薬物濫用少年の特質等については第4編において詳述する。