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2 概 況 昭和56年における過激派集団の活動は,新東京国際空港第二期工事阻止闘争が中心となり,火炎放射装置を使用した放火事件,ガス溶断器による鉄道施設破壊などの悪質,巧妙なゲリラ事犯が発生したが,その件数は前年より減少した。
I-40表は,最近10年間の内ゲバ事犯の認知件数,死傷者等を見たものであるが,昭和56年は9件に激減している。しかし,その犯行手口は,就寝中あるいは出勤途上の被害者を襲撃し,その頭部,顔面等を鉄パイプ等でめった打ちにして殺害するなど,依然として凶悪,残忍である。 I-40表 内ゲバ事犯認知・検挙状況(昭和47年〜56年) I-41表 爆発物使用事犯認知状況(昭和47年〜56年) I-41表は,最近10年間の爆発物使用事犯の認知件数と死傷者数の推移を見たものであるが,昭和56年には,前年同様爆弾事件は1件も発生しなかった。このように過激派集団の犯行は,数的には減少傾向にあるものの,依然テロ・ゲリラ志向が強い上,その組織勢力は必ずしも減少していないこと,爆弾事件の犯人として指名手配中の者が8名もいること等から見て,過激派集団の今後の動向には,十分な警戒が必要であろう。 |