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 昭和56年版 犯罪白書 第4編/第3章/第4節/1 

第4節 ドイツ連邦共和国

1 少年非行の動向

 ドイツ連邦共和国の刑法犯検挙人員,うち,18歳未満の少年検挙人員及び21歳未満の青・少年検挙人員の最近10年間(1970年から1979年)の推移を図示すると,IV-23図のとおりである。(なお,同国の刑法犯認知件数の最近10年間の推移は,第1編第1章のI-7図のとおり。)また,IV-80表及びIV-81表は,刑法犯総数並びに殺人,強盗,傷害,窃盗,強姦及び放火の主要6罪種について,1970年及び最近3年間(1977年から1979年)における少年検挙人員,青年検挙人員,少年比,青年比,及び少年,青年,成人の各人口比を示したものである。

IV-23図 刑法犯検挙人員の推移ドイツ連邦共和国(1970年〜79年)

 少年の検挙人員は,刑法犯総数において10年間に約21万人から約29万人へ約1.4倍に増加し,青年を含めると,約34万人から約47万人へ約1.4倍に増加している。少年比は20.5から22.3へ,青年比は12.4から13.2へいずれも上昇し,両者を併せると青・少年比は32.9から35.5へ上昇している。人口比を見ると,この10年間に,少年は31.3から36.0へ,青年は51.5から60.9へ上昇しており,1979年において,成人(19.5)のそれぞれ約2倍及び3倍になっている。

IV-80表 刑法犯検挙人員の少年比・青年比及び人口比ドイツ連邦共和国(1970年,77年〜79年)

 主要6罪種について,1979年の数値を見ると,殺人については,青・少年比は18.0で,青年の人口比(11.8)は成人(5.0)の約2倍であり,強盗については,青・少年比は51.9で,青年の人口比(129.8)は成人(18.6)の約7倍であり,傷害については,青・少年比は24.9で,青年の人口比(738.5)は成人(267.8)の約3倍であり,窃盗については,青・少年比は51.6で,青年の人口比(2,738.2)は成人(626.0)の約4倍であり,強姦については,青・少年比は24.5で,青年の人口比(29.0)は成人(8.8)の約3倍であり,放火については,青・少年比は51.2で,青年の人口比(13.6)は成人(3.0)の約4倍である。

IV-81表 主要罪種別刑法犯検挙人員の少年比・青年比及び人口比ドイツ連邦共和国(1970年,77年〜79年)