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 昭和56年版 犯罪白書 第4編/第3章/第3節/1 

第3節 イギリス(連合王国)

1 少年非行の動向

 イギリス(イングランドとウエールズのみ)の刑法犯(ただし,要正式起訴犯罪のみ)検挙人員,うち,17歳未満の少年検挙人員及び21歳未満の青少年検挙人員の最近10年間(1970年から1979年)の推移を図示すると,IV-22図のとおりである。(なお,イギリスの刑法犯認知件数の最近10年間の推移は,第1編第1章のI-7図のとおり。)また,IV-75表及びIV-76表は,刑法犯総数並びに殺人,強盗,傷害,窃盗,強姦及び放火の主要6罪種について,1970年又は1974年及び最近3年間(1977年から1979年)における少年検挙人員,青年検挙人員,少年比,青年比,及び少年,青年,成人の各人口比を示したものである。

IV-22図 刑法犯検挙人員の推移イギリス(1970年〜79年)

IV-75表 刑法犯検挙人員の少年比・青年比及び人口比イギリス(1970年,77年〜79年)

 少年の検挙人員は,刑法犯総数において,10年間に約13万人から約17万人へ約1.4倍に増加し,青年を含めると,約22万人から約30万人へ約1.4倍に増加している。少年比は27.9から28.5へ,青年比は21.9から22.4へいずれも上昇し,両者を併せると青・少年層が検挙人員に占める比率は,49.8から51.0へ上昇している。人口比は,1970年から1978年の9年間に,少年は26.1から35.2へ,青年は36.5から49.0へ,著しく上昇している。
 主要6罪種について,1978年の数値を見ると,殺人については,青・少年比は22.6で,青年の人口比(7.2)は,成人(2.8)の約3倍であり,強盗については,青・少年比は55.9で,青年の人口比(97.7)は成人(10.1)の約10倍であの,傷害については,青・少年比は40.4で,青年の人口比(541.0)は成人(107.5)の約5倍であり,窃盗については,青・少年比は58.0で,青年の人口比(3,104.3)は成人(526.7)の約6倍であり,強姦については,青・少年比は54.1で,青年の人口比(46.6)は成人(5.1)の約9倍であり,放火については,青・少年比は70.0で,少年の人口比(33.5)は成人(3.4)の約10倍である。

IV-76表 主要罪種別刑法犯検挙人員の少年比・青年比及び人口比イギリス(1974年,77年〜79年)