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1 少年の仮釈放 少年の仮釈放については,少年院在院者の仮退院及び不定期刑受刑者の仮出獄について述べる。
(1) 少年院在院者の仮退院 少年院からの出院には,満齢又は満期による退院のほか,地方更生保護委員会の許可決定による仮退院及び退院がある。最近における出院事由別の出院人員を見ると,仮退院による出院者が逐年増加し,昭和55年では,91.5%に達している。 仮退院は,少年院在院者が,矯正処遇の最高段階に達し,社会内での処遇である保護観察に付することが,少年の更生のためにふさわしいと認められたとき,又は矯正処遇の最高段階には達していないが,少年自身の努力によって成績が向上し,保護観察に付することが,少年の更生のために特に必要であると認められたときに許される。 最近3年間における仮退院審理の受理及び許否状況は,前掲III-61表及びIII-62表に示したとおりであるが,仮退院の許否状況について,これを少年院の一般短期処遇・交通短期処遇・長期処遇別に見てみると,IV-60表のとおりである。昭和55年においては,一般短期処遇,交通短期処遇共に棄却されたものはなく,長期処遇で7人が棄却されたにすぎない。 IV-60表 処遇区分別少年院仮退院の許否状況(昭和53年〜55年) (2) 不定期刑受刑者の仮出獄不定期刑受刑者の仮出獄審理の手続及び仮出獄許可の基準は,定期刑受刑者と同様であるが,仮出獄を許すことのできる時期は,刑の短期の3分の1を経過した後とされている。 最近3年間における不定期刑受刑者の仮出獄の許否状況は,前掲III-63表に示したとおり棄却率は低下してきており,昭和55年では4.8%であって,同年における定期刑受刑者の棄却率10.7%の約2分の1となっている。 仮出獄を許された者について,刑の短期経過前の出所者と短期経過後の出所者との比率を見ると,IV-61表のとおりである。短期経過前に仮出獄した者の割合は,昭和53年では31.7%,翌54年は36.3%に上昇したが,55年では17.8%に下降している。ただし,定期刑受刑者の仮出獄と対比してその刑の執行率を見ると,定期刑の者では,刑の執行率が80%未満で仮出獄を許された者は,55年では仮出獄許可人員中19.8%であるが,不定期刑の者にあっては,刑の長期を基準として執行率を見た場合,執行率80%未満で仮出獄した者は73.7%となっている。 IV-61表 不定期刑仮出獄の短期経過前・後の許可人員の比率(昭和53年〜55年) |