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 昭和56年版 犯罪白書 第4編/第2章/第2節/3 

3 鑑別状況

 IV-42表は,昭和54年及び55年における鑑別受付及び終了人員を見たものである。55年の鑑別受付人員総数は4万5,373人で,前年に比べて,2,746人,5.7%の減少となっている。これを対象者の区分別に見ると,家庭裁判所関係の収容鑑別が2万15人(受付人員総数の44.1%)で最も多く,次いで一般鑑別が1万3,755人(30.3%),法務省関係の保護が7,509人(16.5%)の順になっている。一方,55年の鑑別終了人員総数は4万8,505人で,これを対象者の区分別に見ると,家庭裁判所関係の収容鑑別が1万8,217人で最も多く,次いで一般鑑別が1万3,843人,法務省関係の保護が7,427人となりている。また,鑑別終了人員のうち,交通事犯の少年は1万1,235人で,鑑別終了人員総数に対する比率は25.8%であるが,これを対象者の区分別に見ると,法務省関係の保護が7,175人で最も多く,次いで家庭裁判所関係の収容鑑別が2,027人,同在宅が1,133人の順になっている。

IV-42表 鑑別受付及び終了人員(昭和54年,55年)

 IV-43表は,昭和55年における家庭裁判所関係鑑別終了者のうち,鑑別判定を行った者の判定結果,同じ対象者についての審判決定の結果,及びこの間の合致率を見たものである。まず,鑑別判定を行った者の総数は,1万8,161人で,うち,最も多い判定は,在宅保護の9,425人(51.9%),次いで中等少年院の6,448人(35.5%),初等少年院の902人(5.0%)の順である。また,鑑別判定を行った者のうち,家庭裁判所が終局決定を行った者は1万8,917人であるので,この決定内容について見ると,保護観察の7,248人(52.1%),中等少年院の3,620人(26.0%),審判不開始・不処分の1,316人(9.5%)の順となっている。次に,鑑別判定と終局決定との間の合致率を見ると,最も高いのは,医療少年院の82.1%,最も低いのは,教護院・養護施設の61.1%である。

IV‐43表 鑑別判定と審判決定の関係(昭和55年)

 少年院送致決定のあった者の送致先少年院は,まず,家庭裁判所が少年院の種類を決定し,これを受けた少年鑑別所長が,各矯正管区長の定めた収容区分に従って,具体的な送致少年院の指定を行っている。ただし,家庭裁判所が当該少年に短期処遇を実施しようとする場合,その旨の勧告を行えば,少年鑑別所長はこれに従うこととされている。