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 昭和56年版 犯罪白書 第4編/第2章/第2節/2 

2 観護状況

 IV-17図は,昭和24年以降における全国の少年鑑別所の入所人員の推移を見たものである。入所人員は,発足当初の2年間を除いて,26年の4万3,014人を最高に,43年まで3万人台を続けていたが,その後,49年に1万1,560人まで減少した。しかし,50年以降再び増加傾向にあり,IV-40表のとおり,55年では2万226人で,前年に比べて,3,175人,18.6%の増加となっている。

IV-17図 少年鑑別所入所人員の推移(昭和24年〜55年)

IV-40表 少年鑑別所入所人員及び1日平均収容人員(昭和54年,55年)

 一方,昭和55年における退所人員は,IV-41表のとおり,2万238人であり,退所事由別に見ると,保護観察の6,754人(38。4%)が最も多く,次いで少年院送致の4,721人(28.3%),試験観察の3,813人(16.4%)などとなっている。
 少年鑑別所における観護処遇は,的確な鑑別が実施でき,少年が安んじて審判を受けられ,かつ,少年の出所後の自立,更生の契機となるように,所内の環境を明るく平静なものに整え,規則正しい起床,食事,運動,テレビ・ラジオの視聴,入浴,読書,就寝等の日課を定め,日常生活の指導を行うとともに,必要に応じて,前述の探索処遇を実施している。探索処遇は,鑑別結果の精度を高める方策であるが,観護処遇の充実や観護と鑑別の一体化を促すこととなるので,施設間の処遇格差を是正するための観護処遇の標準化作業と併せて,その全国的な試行が推進されている。なお,観護業務は,これらの処遇のほか,収容少年の身柄の保全及び規律の維持に責任を負っている。

IV-41表 少年鑑別所退所事由別人員(昭和54年,55年)