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 昭和56年版 犯罪白書 第2編/第2章/第1節/1 

1 発生状況

 被害金融機関に対する調査回答データによって,金融機関別内訳を見ると,金融機関強盗169件のうち,郵便局が約半数の80件を占め,次いで銀行(相互銀行を含む。)49件,信用金庫30件の順になっている(II-6表)。
 事件発生の時間帯を見ると,「開店中(午後)」が34.9%で最も多く,次いで「開店中(午前)」の24.3%,「閉店直前」の17.2%,「閉店直後」の11.2%の順となっている。しかし,時間帯の幅を考慮すると,「閉店直前」及び「閉店直後」の時間帯における発生ひん度が相対的に高いと言えよう(II-7表)。
 次に発生の日を曜日別に見ると,金曜日と月曜日が最も多く(各20.7%),次いで火曜日,木曜日,水曜日の順となり,土曜日が最も少なくなっている(II-8表)。なお,月別発生件数については,警察庁の最近3年間の資料によると,12月が最も多く(11.2%),次いで8月,5月等の順となっている(II-9表)。

II-6表 被害金融機関種類別件数(昭和54年1月〜55年6月)

II-7表 金融機関強盗事犯の発生時間帯(昭和54年1月〜55年6月)

II-8表 金融機関強盗事犯の曜日別発生件数(昭和54年1月〜55年6月)

II-9表 金融機関強盗事犯の月別発生件数(昭和53年〜55年の累計)

 発生地域について,まず,発生地域の人口状況を見ると,中都市圏(人口10万人以上50万人未満)が40.2%で最も多く,大都市圏(人口50万人以上)の37.9%がこれに次いでおり,金融機関強盗の都市型犯罪としての特質を示している(II-10表)。次に,店舗の環境から見ると,都市の中心部以外の住宅地域が41.4%で最も多く,次いで都市の中心部の25.4%,都市の中心部以外の商工業地域の24.3%の順となっている(II-10表)。
 店舗の職員数について見ると,職員数5人未満の店舗が32.5%で最も多く,店舗職員数が多くなるにつれて,おおむねその比率が低下している(II-11表)。

II-10表 金融機関強盗事犯の発生地域等(昭和54年1月〜55年6月)

II-11表 被害金融機関の店舗職員数(昭和54年1月〜55年6月)