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我が国における金融機関強盗(銀行,相互銀行,郵便局,信用組合,信用金庫,農業協同組合,漁業協同組合等を対象とする強盗事犯をいい,証券会社,庶民金融機関等に対する強盗事犯は含まない。)の認知(発生)・検挙件数及び検挙率について,強盗一般と対比しつつ,最近5年間の推移を見ると,II-1表のとおりである。強盗の認知件数は,最近2年連続の増加を見て,昭和55年には2,208件に達したが,これに対し金融機関強盗の認知件数は4年連続の増加を続けており,その増加率も著しく高く,55年には51年の21件の約7倍の150件(55年の強盗総数の6.8%)に達している。また,金融機関強盗の検挙率は,強盗の検挙率よりも常に低く,55年では強盗の検挙率75.5%に対し,金融機関強盗の検挙率は68.7%になっている。
II-1表 強盗及び金融機関強盗事犯の認知・検挙件数(昭和51年〜55年) 金融機関別の認知・検挙件数を見ると,II-2表のとおりである。昭和51年には認知件数において銀行(相互銀行を含む。)が1位であり,次いで信用金庫等,郵便局の順であったのに対し,その後に郵便局と信用金庫等に対する強盗事犯が激増した結果,55年には郵便局が1位になり,次いで信用金庫等,銀行の順になっている。II-2表 金融機関強盗事犯の認知・検挙件数(昭和51年〜55年) 金融機関強盗の使用凶器別認知件数を見ると,II-3表のとおり,包丁,日本刀・あいくち,その他の刃物を凶器として使用した事件が多く,昭和55年では150件のうち94件(62.7%)を占めている。これに対し,銃器・模造銃器を使用した事件は30件(20.0%)と比較的少ないが,銃器・模造銃器使用事件の比率は,51年の14.3%から毎年上昇しており,特に,真正銃器を使用した事件が51年の1件から55年の12件に激増していることが注目される。II-3表 金融機関強盗事犯の使用凶器別認知件数(昭和51年〜55年) |