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 昭和56年版 犯罪白書 第1編/第2章/第8節/2 

2 日本人の国外犯

 I-62表は,最近5年間における日本人の出国者を渡航先別に示したものである。出国者の総数は,年々増加していたが,昭和55年には,この動きが止まり,前年より,12万8,965人減の890万9,333人となっている。これを渡航先別に見ると,55年は,約50%が中国(台湾)を初めとするアジア地域であり,約34%はアメリカとなっている。
 日本人の国外における犯罪について,国際刑事警察機構等を通じて警察庁が通報を受理した件数は,I-63表のとおりである。通報受理件数は,昭和51年以降増減を繰り返しているが,55年には前年より37件減少して102件となっている。また,通報された人員は111人で,前年より66人の減少となっている。罪種別に見ると,麻薬・覚せい剤事犯が30件で首位を占め,以下,関税・為替管理事犯,出入国管理令違反,強盗・窃盗,傷害・暴行などの順となっている。また,55年の犯罪地を見ると,韓国18件,イギリス14件,アメリカ11件,タイ7件,フィリピン6件,香港4件,フランス4件,スペイン3件,カナダ3件等,世界の各地域に及んでいる。

I-61表 外国人の罪名別検察庁新規受理人員(昭和53年〜55年)

I-62表 渡航先別日本人出国者数(昭和51年〜55年)

I-63表 日本人国外犯の罪種別通報受理件数(昭和51年〜55年)