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 昭和56年版 犯罪白書 第1編/第2章/第8節/1 

第8節 外国人犯罪と日本人の国外犯

1 外国人犯罪

 I-60表は,昭和45年,54年,55年における外国人登録法に基づく登録者及び外国人入国者を国籍別に示したものである。登録者は,年々増加して,55年には78万2,910人となり,一方,入国者も逐年増加して,55年には133万8,335人となっている。登録者の84.9%は,韓国・朝鮮人であり,入国者のうち最も多数を占めるものは,アメリカ人である。

I-60表 国籍別外国人登録者・入国者数(昭和45年,54年,55年)

 I-61表は,最近3年間における外国人の交通関係業過及び道交違反を除く検察庁新規受理人員及び全新規受理人員中に占める外国人の比率を罪名別に示したものである。昭和55年の受理人員総数は2万1,832人,比率は4.0%となっており,前年より200人の増加となっている。55年の罪名別受理人員を見ると,外国人登録法違反を除けば,窃盗が3,552人と首位を占め,以下,傷害,覚せい剤取締法違反の順となっている。また,実数は少ないものの,前年より増加の著しい罪名は,麻薬取締法違反である。55年における全新規受理人員中に占める外国人の比率を罪名別に見ると,外国人登録法及び出入国管理令の各違反を除けば,大麻取締法違反(37.1%),麻薬取締法違反(32.9%),関税法違反(23.8%)などが高く,刑法犯では賭博・富くじ(5.7%)が最も高くなっている。