昭和54年及び55年における道路交通法違反事件の告知件数及び送致件数を違反態様別に見ると，I-54表のとおりである。道路交通法違反事件総数は，43年の約396万件から，52年の約1,247万件まで増加し，53年から減少に転じたが，55年には，前年より73万1,292件(6.7%)増加して1,164万2,059件となっている。そのうち，交通反則事件として告知された件数は前年より約68万件増加しているが，これは時速25km未満の速度超過の約24万件増，免許証不携帯の約10万件増，駐停車の約6万件増，一時停止の約6万件増，通行禁止・制限の約5万件増，信号無視の約4万件増，整備不良の約4万件増などによるものである。刑事事件として送致された件数は前年より4万7,303件(2.8%)増加している。その内訳を見ると，時速25km未満の速度超過は3万5,119件減少したが，酒酔い・酒気帯びの6万8,894件増，無免許の1万4,978件増によるところが大きい。なお，55年における送致事件の違反態様別構成比は，速度超過が50.8%で最も多く，酒酔い・酒気帯びの14.0%，無免許の13.0%がこれに次いでいる。
　昭和55年における全取締件数中に占める告知件数の比率は85.0%であり，前年より0.5%上昇している。告知件数に対する反則金の納付件数の比率は，55年では96.5%となっており，その納付総額は，前年より4.3%増加して約556億円となっている。

I-54表　道路交通法違反事件告知・送致件数(昭和54年，55年)