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 昭和55年版 犯罪白書 第4編/第3章/第3節/4 

4 仮釈放及び不定期刑の終了

(1) 仮釈放
 不定期刑を言い渡された者については,少年法第58条第3号の規定によって,その刑の短期の3分の1を経過した後に仮釈放を許可することができることとされている。そこで,不定期刑を言い渡された者で昭和29年から54年までの間に仮釈放となった者について,刑の短期経過前と経過後における仮釈放の割合を見たのが,IV-70表である。これによると,刑の短期経過前に仮釈放が許可された者の比率は,29年から32年までは逐年増加し,32年は23.3%までになったが,その後はおおむね減少を続け,41年には2.8%と最低を記録した。しかし,49年以降は増減を繰り返しながら次第に増加傾向を示し,54年は,29年以降最高の37.4%となっている。

IV-70表 不定期刑仮釈放者の短期経過前・経過後別人員構成比(昭和29年〜54年)

(2) 不定期刑の終了
 昭和24年以降において不定期刑の終了決定を受けた者は,IV-71表のとおりである。不定期刑終了には,在所中の不定期刑終了と仮釈放中の不定期刑終了があるが,24年から27年までは,統計上合算してあるので,両者のそれぞれの数値はつまびらかではない。そこで,28年以降について見ると,在所中に不定期刑の終了決定を受けた者は,33年の34人を除いてはごく少数であったが,35年以降は皆無となっている。また,仮釈放中に不定期刑終了の決定を受けた者は,46年の25人が最も多く,48年以降では10人以下となっている。

IV-71表 年次別不定期刑終了者数