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 昭和55年版 犯罪白書 第4編/第3章/第3節/3 

3 処遇の推移

(1) 教科教育
 昭和30年4月,松本少年刑務所では,所内に公立中学校の分校を設け,全国の刑務所に収容中の中学2年修了又は3年中退者の中から選考して入学させ,中学3年の課程の履修を開始した。30年に入学した第1回生の卒業者数は26人であるが,54年に卒業した10人までを含めると,これまでに411人の卒業生を送り出している。
 少年刑務所における高等学校の通信制課程による卒業生の人員は,松本少年刑務所では,昭和45年以降54年までに8人,奈良少年刑務所では,50年以降10人,盛岡少年刑務所では,51年以降12人の合計30人である。

IV-67表 少年新受刑者主要罪名別人員構成比 (昭和24年〜54年)

IV-68表 少年新受刑者の刑期別人員構成比(昭和24年〜54年)

(2) 免許等の取得状況
 少年刑務所における職業訓練等による資格・免許の取得状況は,IV-69表のとおり,昭和42年から54年までの間では,毎年,出所者のおおむね10%の者がなんらかの資格・免許を取得している。種目別では,42年から47年までは,珠算・簿記の資格・免許取得者は,総数の20%以上で首位を占めていたが,48年になると,板金,機械,溶接等の金属関係の技能の資格・免許取得者の比率が20.8%になり,それ以降は,金属関係が他の種目より多くなり,54年は17.6%(49人)となっている。その他,電気工事,自動車運転・整備,理容・美容・クリーニングが,各年ともおおむね上位を占めている。

IV-69表 少年刑務所出所受刑者の資格・免許取得別構成比(昭和42年〜54年)