(1)触法少年
　III-9表は，最近5年間において刑法(ただし，交通関係の業過を除く。)に触れる行為をして警察に補導された14歳未満の少年の行為別人員の推移を示したものである。このような触法少年の補導人員総数には，これまで大きな変化は認められなかったが，昭和53年においては，前年より5,581人増加して，4万918人となり，人口比で3.8となっている。
　更に，行為別に見ると，これまで横ばいを続けた窃盗が増加し，前年に比べ実数で5,140人，比率で16.9％の増となり，横領の増加傾向も依然として続いている。

III-9表　触法少年の行為別補導人員(昭和49年〜53年)

　　(2)虞犯少年
　警察に補導された少年のうち，虞犯少年と認定された者は，家庭裁判所に送致され，又は児童相談所に通告される。III-10表は，最近10年間に送致又は通告された虞犯少年の年次別人員を見たものである。虞犯少年は，おおむね減少傾向にあり，昭和53年には5,406人となっている。また，虞犯の内容について，全国の家庭裁判所が処理した52年の終局人員(終局総人員から移送，回付，従たる事件の人員を除いたもの。)2,625人について見ると，家出が1,119人(42.6％)で最も多く，以下，不純異性交遊548人(20.9％)，交友不良334人(12.7％)，不健全娯楽83人(3.2％)，怠学73人(2.8％)，夜遊び31人(1.2％)などとなっている。

III-10表　虞犯少年の送致及び通告人員の推移(昭和44年〜53年)