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 昭和54年版 犯罪白書 第2編/第2章/第2節/3 

3 新受刑者における累犯・非累犯別,初人者・再入者別の傾向

 II-32表は,新受刑者の刑法上の累犯・非累犯別の比率を示すものである。これによると,昭和53年におけるその比率は50.7%と49.3%であり,前年に比べて,累犯が減少し,非累犯が増加している。また,新受刑者について,入所度数別人員の比率を見たのがII-33表である。58年における初人者と再入者の比率は,42.3%と57.7%であり,前年に比べて初人者の比率が若干増加しているが,再入者の入所度数別構成比を見ると,入所度数6度以上の者について近時若干の減少が見られるものの,その他については,51年以降ほとんど変化が見られない。

II-32表 新受刑者の累犯・非累犯別人員の比率(昭和40年,45年,51年〜53年)

II-33表 新受刑者の入所度数別人員の比率(昭和40年,45年,51年〜53年)

 昭和30年以降の各年の新受刑者中の再入者について,前刑出所後本犯までの期間(以下「再犯期間」という。)につきその累積率を見たのがII-34表である。これによると,短期間に再犯に陥る者の比率は減少の傾向にあり,総じて,再入受刑者の再犯期間が延伸する傾向にあるように見受けられる。
 II-35表は,初人者,再入者の別に,罪名別の構成比を見たものである。初人者で構成比が高いものを6位まであげると,窃盗,覚せい剤取締法違反,業過,道路交通法違反,傷害及び詐欺の順となっている。再入者のそれは,窃盗,覚せい剤取締法違反,傷害,詐欺,道路交通法違反及び恐喝の順となっており,再入者における窃盗の構成比が36.9%と顕著に高い。