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1 外国人犯罪 I-37表 国籍別外国人登録者・入国者数(昭和51年〜53年) 最近3年間における外国人登録法に基づく登録者及び外国人入国者を国籍別に見ると,I-37表のとおりである。登録者は,毎年1%前後増加して昭和53年には約77万人となり,一方,53年の入国者は,52年まで数年間続いていた10%前後の増加率においては衰えを見せたものの,人員では依然前年より増加して約107万人となっている。登録者の大多数は,韓国・朝鮮人であり,入国者のうち最も多数を占めるものは,アメリカ人であるが,アメリカ人入国者は53年において,協定該当者(I-37表の注2参照)は52年以降において,それぞれその前年より減少している。I-38表は,最近3年間における外国人の自動車等による業過及び道交違反を除く検察庁新規受理人員及び全新規受理人員中に占める外国人の比率を罪名別に示したものである。昭和53年の受理人員総数は2万4,678人,比率は4.7%となっており,いずれも51年から次第に減少している。53年の罪名別受理人員を見ると,外国人登録法違反を除けば,窃盗が3,817人と首位を占め,以下,傷害,覚せい剤取締法違反の順となっている。 覚せい剤取締法違反は,昭和51年から毎年約200人ずつ増加しており,窃盗,大麻取締法違反及び麻薬取締法違反も,58年においては前年より増加しているが,その他の犯罪は,ほとんど一様に減少傾向にある。53年における全新規受理人員中に占める外国人の比率を罪名別に見ると,外国人登録法及び出入国管理令の各違反を除けば,関税法違反(30.0%),大麻取締法違反(27.9%)などが高く,刑法犯では恐喝(4.3%)が最も高くなっている。 昭和52年中に通常第一審において有罪裁判を受けた外国人を国籍別,罪名別及び刑名別に見ると,I-39表のとおりである。有罪人員総数3,022人のうち,罪名別では,窃盗が437人と最も多く,覚せい剤取締法違反(428人),傷害(290人)などがこれに続いている。国籍別では,韓国・朝鮮人が全体の89.9%を占めており,その罪名を見ると,覚せい剤取締法違反及び窃盗が多い。アメリカ人は,国籍別で2位を占め,その罪名を見ると,大麻取締法違反及び強盗(強盗致死傷を含む。)が多くなっている。また,刑名別では,大部分が有期懲役若しくは禁錮であるが,強盗(強盗致死傷を含む。)に無期懲役3人が見られる。罰金は,傷害,刑法犯の「その他」中の過失傷害及び特別法犯の「その他」中の道路交通法違反によるものが大部分である。 I-38表 外国人の罪名別検察庁新規受理人員(昭和51年〜53年) 1-39表 外国人の国籍・罪名・刑名別通常第一審有罪人員(昭和52年) |