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3 収容少年の特性 少年鑑別所収容少年の特性を,昭和52年における家庭裁判所関係収容鑑別終了少年の資料から見ることとする。
IV-49表 少年鑑別所収容少年の非行名別・年齢層別構成比(昭和52年) まず非行名別・年齢層別の構成を見たのが,IV-49表である。年齢構成を見ると,男子では,年長少年が6,050人(56.6%)と最も多く,次いで中間少年が3,394人(31.7%),年少少年が1,252人(11.7%)となっているが,女子では,年長少年が304人(17.7%),中間少年が715人(41.7%),年少少年が696人(40.6%)と年少少年の多いことが特徴的であり,前年の女子年少少年509人(36.5%)に比べて,顕著な増加と言える。非行名と年齢層との関係を見ると,男子では,どの年齢層でも,自動車窃盗をも含めて窃盗が最も高率である。暴行・傷害・恐喝,強姦・わいせつ,業務上過失致死傷,暴力行為等処罰に関する法律違反,覚せい剤取締法違反及び道路交通法違反は,年齢層が高くなるにつれて高率となっている。一方,虞犯は,年少少年において高い率を示している。なお,毒物及び劇物取締法違反が,どの年齢層でも,女子に比べて高率になっている。女子では,どの年齢層においても,自動車以外の窃盗と虞犯が高率であり,虞犯は,年少少年において76.9%,中間少年では65.3%という高率を示している。また,女子年長少年の18.1%が覚せい剤取締法違反であることが注目される。 学歴について見ると,IV-50表のとおり,中学校卒業,高校中退が多い。 学生・生徒の非行が少年非行の大部分を占めている今日少年鑑別所収容少年についても,。学生・生徒は,増加傾向にあり,特に,女子の中学校在学中の少年が,前年の346人(25.4%)から515人(30.0%)と増加していることが目立つ。 IV-50表 少年鑑別所収容少年の学歴(昭和52年) IV-51表 少年鑑別所収容少年の問題行動歴の構成比(昭和52年) 次に,問題行動歴について見ることとする。IV-51表に示すとおり,男子については,性経験あり(66.1%),家出あり(数度内36.4%・常習14.8%),有機溶剤の濫用あり(数度内31.7%・常習20.7%),無免許運転あり(数度内45.9%・常習15.6%)が高い率を占めている。女子については,性経験あり(90.2%),家出あり(数度内42.6%・常習47.3%),有機溶剤の濫用あり(数度内36.9%・常習16.3%)が高率となっている。特に,性経験及び家出ありが約9割に達し,また,男子に比べて,麻薬・覚せい剤の使用経験(数度内12.4%・常習8.6%)及び睡眠・鎮痛剤の使用経験(数度内9.6%・常習1.7%)の比率が高くなっているのは,女子非行少年の特徴を示すものと言えよう。IV-52表 少年鑑別所収容少年の非行動機の構成比(昭和52年) 非行の動機について見ると,IV-52表のとおりである。男子では,利欲が20.9%,遊びが20.7%と比率が高く,次いで,同調が13.7%となっている。女子では,遊びが30.7%と最も高く,次いで,利欲が16.9%,逃避が9.9%などとなっている。性差の認められる動機として,上記の同調,逃避のほか私憤が男子の6.2%に対して,女子は2.2%,反抗が男子の1.2%に対して,女子は6.0%であって,対照的であるのが目立つ。 |