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2 鑑別状況 少年鑑別所における鑑別は,通常,[1]収容鑑別(家庭裁判所の観護措置によって収容された少年等に対する鑑別),[2]在宅鑑別(家庭裁判所の在宅事件に係る少年に対する鑑別),[3]依頼鑑別(少年院在院少年に対する再鑑別,保護観察中の少年に対する鑑別,地方更生保護委員会及び検察庁への協力としての鑑別等法務省関係機関からの依頼による鑑別),[4]一般少年鑑別(学校,職場,家庭などからの依頼,相談に応じて行う一般少年に対する鑑別),[5]その他,少年院在院少年の収容継続申請事件に対する家庭裁判所からの請求による鑑別等に分けられる。
少年鑑別所においては,このように多様な鑑別目的と対象に応ずるため,精密鑑別,普通鑑別及び簡易鑑別の区別があり,また,来所鑑別,出張鑑別等の鑑別態勢が整えられている。 IV-45表 少年鑑別所の鑑別受付状況(昭和50年〜52年) この鑑別が果たしている機能を,最近3年間における鑑別受付状況から見ると,IV-45表のとおりである。昭和52年における受付人員は,4万376人で,前年に比べて2,584人の増加となっている。受付の種類別に見ると,在宅鑑別が減少し,保護関係機関及び検察庁からの依頼鑑別の増加が目立っている。このうち,交通事犯少年の鑑別実施状況を見ると,IV-46表のとおり,昭和52年においては,総数が1万85人で,前年に比べて1,239人の増加であり,特に,収容鑑別での増加が著しい。 次に,家庭裁判所関係鑑別終了者について鑑別判定結果を示したのが,IV-47表である。昭和52年における鑑別判定人員は,1万3,421人で,前年に比べて896人の増加である。保護不要,在宅保護及び保護不適の判定は,前年に比べて,実数・構成比共に減少した反面,収容保護の判定は,実数で1,818人の増加を示し,前年の33.4%から44.7%にまで上昇している。特に,男子については中等少年院で1,295人の増加,また,女子については初等少年院で120人の増加,中等少年院で176人の増加となっている。 家庭裁判所関係鑑別終了人員の審判決定結果についても,IV-48表のとおり,前年に比べて収容保護が実数・構成比共に増加している。特に,男子の中等少年院送致,また,女子の初等少年院送致及び中等少年院送致の増加が著しい。他方,保護観察についても,構成比では前年よりわずかに下降しているものの,実数では増加している。 IV-46表 交通事犯少年鑑別実施人員(昭和50年〜52年) IV-47表 鑑別判定別人員の構成比(昭和50年〜52年) 鑑別判定及び審判決定における収容保護の増加は,52年6月からの少年院における短期処遇の拡充,少年処遇の個別化及び処遇内容の特色化など,少年院の運営改善が影響を及ぼしたのではないかと考えられる。IV-48表 審判決定別人員の構成比(昭和50年〜52年) |