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2 暴力団関係者の特性 まず,最近の暴力団関係受刑者について,犯罪態様の特徴を見ることとする。III-80表は,昭和41年,46年及び51年の5年置きの各年における暴力団関係受刑者について,その犯罪の特徴を見るため,特に生命暴力犯罪(殺人),財産暴力犯罪(強盗,恐喝),性暴力犯罪(強制わいせつ,強姦),粗暴暴力犯罪(傷害・同致死,暴行,脅迫,暴力行為等処罰法違反,銃刀法違反),風俗犯罪(売春防止法違反,賭博),麻薬犯罪(麻薬取締法違反),覚せい剤犯罪(覚せい剤取締法違反),単純財産犯罪(窃盗,詐欺)及びその他の9罪種に分けて,それぞれの比率を見たものである。全体として見て,罪種の比率が増大しているのは,覚せい剤犯罪であり,41年の0.9%から,51年の20.7%と顕著に増大している。反対に,財産暴力犯罪は,41年の17.9%から51年の12.0%へ,風俗犯罪について同様に10.1%から3.7%へ,単純財産犯罪は17.6%から11.2%へ,麻薬犯罪は0.4%から0.1%へといずれも低下している。粗暴暴力犯罪の比率は,46年は41年よりも増大し,51年では,41年及び46年を下回る34.9%を示している。生命暴力犯罪の比率は,51年では,41年よりも低く46年よりも高くなって3.7%である。
III-80表 暴力団関係新受刑者の罪種・罪名別構成比(昭和41年,46年,51年) 次に,暴力団関係受刑者について,その組織への帰属性等を見ることとする。III-8図は,前節で述べたB級受刑者に関する調査結果から,暴力団に加入歴のある者385人を抽出し,組織内の地位及び加入期間について見たものである。組織内の地位については,幹部が28.0%,組員55.3%,準構成員が14.2%となっている。また,加入期間では,1年未満の者が9.9%,1年以上3年未満の者が20.0%,3年以上5年未満の者が18.7%,5年以上10年未満の者が24.4%,10年以上20年未満の者が23.1%,20年以上の者が3.9%であり,5年以上の加入期間を有する者の比率が,加入歴のある者全体の51.4%と過半数を占めているのが注目される。III-8図 暴力団内の地位及び加入期間 以上見てきたように,刑務所内の暴力団関係受刑者は,その人員において増加の傾向をたどり,また,刑法上の累犯及び入所歴を重ねている者の比率も上昇傾向にある。更に,その犯罪態様にも変化が見られるとともに,暴力団関係者の組織への帰属性,犯罪性の固着化も顕著であると言える。 |