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 昭和53年版 犯罪白書 第3編/第3章/第2節/1 

第2節 保護観察と累犯

1 概  説

 ここでは,刑法上の累犯とは関係なく,起訴猶予,科料,拘留,罰金,禁錮,懲役等の刑事処分歴の有無,その種類によって,保護観察対象者の状況に差異が生ずるか否か,換言すれば,刑事処分歴と保護観察対象者との関係について見ることとする。最近5年間に保護観察を終了した仮出獄者と保護観察付執行猶予者について,本件処分以前の刑事処分歴を見ると,III-44表のとおりで,仮出獄者,保護観察付執行猶予者のいずれにおいても,刑事処分歴の全くない者の比率が年ごとに漸減し,他方,懲役の実刑歴のある者,同じく執行猶予歴のある者の比率が漸増傾向にあると言えよう。もっとも,仮出獄者のうち懲役の実刑歴のあるものの比率は,昭和51年と52年の間ではほぼ横ばいとなっている。